2026/05/06 09:00

 


今回は、応用編というか、内容的には「基礎編かも」ですが、以下にご披露させて頂きます。

 タイにおける「ガネーシャ」の呼び方について、「プラピッカネート」との呼び方があるというのは既に基礎編で学んだ内容ですが、実は「พระอุเชนทร์(プラウチェーン)」との呼び方もあります。

 特にタイ南部、ナコーンシータンマラート県などを中心に非常に強く信仰されており、一般的なガネーシャ像とは少し異なる歴史的・文化的な背景を持っています。

1. 呼び名の意味

 「ウチェーン」という言葉は、サンスクリット語の「ウッチャ(Uccha / 高い、偉大な)」などの言葉に由来すると考えられており、「偉大な主」、「最高位のガネーシャ」といったニュアンスが含まれています。


2. 特徴的な造形

 一般的なガネーシャ像は、腕が4本(四臂)やそれ以上あるものが多いですが、プラ・ウチェーンとして知られる古い像には以下のような特徴があります。

  • 腕が2本(二臂): 非常に古い形式(シュリーヴィジャヤ様式など)を汲んでいます。

  • 座り方: 「マハーラージャ・リーラー(転法輪座)」と呼ばれる、片膝を立てたリラックスした姿勢で座っていることが多いです。

  • 素朴で力強い意匠: 現代のきらびやかな装飾よりも、石造りやブロンズの質感を活かした、古風で重厚な造りが特徴です。


3. ポー・タン・クライとの伝説

 プラ・ウチェーンの名をタイ全土に広めたのは、タイ南部で「言霊の聖者」として崇められている高僧、ポー・タン・クライ(Phor Than Klai)の伝説です。

  • ナコーンシータンマラート県のワット・スアンルアン(Wat Suan Luang)という寺院に祀られているプラ・ウチェーン像は、川から引き揚げられたという伝説があります。

  • ポー・タン・クライはこの像を自身の守護神(相棒)のように大切にし、その霊験(ご利益)が非常に強いことで知られるようになりました。


4. ご利益

 タイの人々は、プラ・ウチェーンに祈ることで以下のような助けが得られると信じています。

  • 障害の除去: 物事をスムーズに進める。

  • 商売繁盛: 象は豊かさの象徴でもあります。

  • 芸術・学問の成就: 知恵の神としての側面です。

  • 守護: 邪悪なものから身を守る。

タイのアンティーク美術や、神像(プラ・ブーチャー)に興味がある方にとっては、歴史的価値も非常に高い存在といえるでしょう。


【補足】

 他にも、以下のように呼ばれることもあります。

  • プラ・ピカネースアン (Phra Pikanesuan / พระพิฆเนศวร): より儀礼的、あるいは古典的な呼び方です。「最高位の神(イーシュヴァラ)」としての威厳を込めた表現です。

  • プラ・ウィッタネー (Phra Witthanet):  古い文献や特定の儀式で見られる名前で、知識や学問の神としての側面を強調する際に使われることがあります。


  •  以 上