2026/06/03 09:00

今回は、2026.05渡泰の仕入れでネズミ店長が最も心を惹かれたプラクルアンをご紹介いたします。


それは、常連の専門店の在庫サイトで「ガネーシャ(ピッカネート)」ものを見ていたところ、明らかに他のプラクルアンとは価格が異なって高いものが目に入りました。ルアン・ポークンでなければ、クルーバー・クリッサナでもない、ルアン・プートゥアットものでもない。しかも、発行年は最近なのに「なぜ?」と思いその背景を調べてみると、鳥肌が立つくらいの深い背景があることが分かり、ますます心を惹かれた店長。まずは、画像をご覧ください。


 このプラクルアンは、タイのバンコクにあるワット・チャオアーム(Wat Chao Am)で2561年(西暦2018年)に発行された「プラ・ピカネート(ガネーシャ)/ルン・ルアイ・タン・チャイ(すぐにお金持ちになるモデル)」です。このプラクルアンは、タイの有名な占星術師であるモー・ラック(ラック・レーカニテット氏)が監修・顧問を務めたことで知られるシリーズです。

このプラクルアンの特徴
1. 希少性と素材(ヌア・ナワ・ケー・トーンカム)
 素材は「ナワ・ケー・トーンカム(金が多く含まれた九宝銅)」です。通常の銅製よりも価値が高く、特に「ガマカーン(役員・コレクター限定版)」モデルであるため、発行数が少なく希少性が高いモデルです。表面の質感が非常に滑らかで、赤みがかった重厚な色合いが特徴です。

2. 豪華な裏面の仕様
 裏面には、聖なる粉(ポン・ムアンサーン)が詰められ、タクルット(経文を巻いた金属筒)や天然石(宝石)、ルクグリン(鈴の玉)などが埋め込まれています。これほど多くの要素が組み込まれた鋳造リアンは珍しく、制作に非常に手間がかかっています。

3. ご利益のコンセプト
 モデル名の「ルアイ・タン・チャイ」は、直訳すると「即座に富を得る」という意味です。商売繁盛、成功、障害の除去を司るガネーシャ神に、金運向上の願いが強く込められています。


 素材についてさらに深掘りすると、この「ルアイ・タン・チャイ」シリーズの裏面に詰められている聖なる粉(ムアンサーン/ポン・プッタクン)は、タイのプラクルアン界でも「トップクラスに豪華で歴史的なマテリアル」が集められていることで非常に有名です。
 公式な記録によると、数百種類から数千種類に及ぶ神聖な粉末が調合されていますが、その中でも特に価値が高いとされる代表的な成分は以下のとおりです。

1. タイ仏教界の最高峰の遺産
 ポン・ジトラダー
 タイの歴史において最も神聖視される粉の一つで、ラーマ9世(プミポン前国王)が自ら手作業で調合し、特別な高僧や寺院にのみ下賜した非常に貴重なロイヤル・パウダーです。これがこのプラクルアンの粉に特別にブレンドされています。
 歴代の最高位僧(サーンカラート)の遺髪
 タイの仏教界のトップであった元・最高位聖職者の「プラ・ケーサー(遺髪)」が、畏敬の念を込めて混ぜ込まれています。

2. 伝説的な巨匠たちの聖粉(マスター・パウダー)
 サーン・ルアンプ・ティムの聖粉
 ラヨーン県の伝説的な高僧、ルアンプ・ティム師の系統に伝わる、非常に強力な開運・魔除けの効果があるとされる「ポン・プライクマー(あるいはそれに準ずる特別なプッタクン粉)」が含まれています。
 サーン・ソムデット・トーの聖粉
 プラクルアンの最高峰「プラ・ソムデット」を生み出した、ワット・ラカンのソムデット・トー師ゆかりの古い聖なる粉末や、古いプラクルアンの破片を砕いたものがミックスされています。
 サーン・ルアンプ・サコーンの粉
 ルアンプ・ティム師の筆頭弟子であり、強力なプラクルアンを作ったことで有名な巨匠の聖粉です。

3. プロデューサーが10年超かけて集めた3,000種類以上のコレクション
 監修者のモー・ラック氏が、2007年(仏暦2550年)の超大規模なプラクルアン(チャトゥカーム・ラームラート)の大ブームの時代から、タイ全土の有力寺院や高僧を巡って集め、蓄積してきた3,000種類以上もの「聖なる粉・金属粉」がベースとして提供されています。
 さらに、日本でいう「一宿一飯の恩」のように、全国の著名な高僧たちが「この大祈祷式のために」と直々に経文を書き込んで(ヤントを刻んで)祈祷した金・銀・銅のプレート(ペーン・チャーン)を溶かした際に出る神聖な金属粉も含まれています。

 裏面を見たときにグレーや茶色がかった、少しザラザラとした独特の質感をしていますが、それはこれら「タイの歴史的な名刹・名僧のエネルギー」が文字通り文字通りぎっしりと凝縮されて固められているからです。表のガネーシャの造形美だけでなく、見えない裏側の「素材」にこれほどの歴史的価値があるからこそ、コレクターの間で今でも一目置かれる存在になっています。

このプラクルアンは、「美術的な美しさ」「強力な監修者」「豪華な素材」の3拍子が揃った、比較的新しい年代(2010年代後半)を代表する名作の一つです。特にガネーシャ愛好家の間では、ワット・チャオアームのこのシリーズは「デザインが立体的で美しい」と定評があります。投資価値というよりは、「実用的な開運お守り」として、また「美術品」として非常に高い評価を得ている一品です。


【祈祷式】
 この「ルアイ・タン・チャイ」シリーズは、お寺の運営資金(修養棟の建設など)のために企画された非常に大規模なプロジェクトだったため、タイ仏教界のそうそうたる高僧(ゲージ・アジャーン)や重要人物が祈祷式(プッタピセーク/テーワピセーク)に参加しています。
(※なお、プラクルアンの本格的な最初のリリース自体は2015年(仏暦2558年)に始まり、その後2561年などに記念碑的な特別版や記念行事、天体儀式(プラ・サオ/土星の儀式など)に合わせた法要が同シリーズで継続して行われています。)

主な参加者・監修者として、以下の著名な方々が記録されています。
1. 主な高僧・参加者(ゲージ・アジャーン)
 チャオクン・トンチャイ師(現・ソムデット・プラ・マハ・ラチャモンコン・ムニ)
 ワット・トライミット(黄金仏寺院)の高僧で、タイ国内だけでなく海外(レスター・シティFCの奇跡の優勝を予言・祈祷したことでも有名)でも絶大な影響力を持つトップクラスの高僧です。このシリーズのために、秘蔵の聖なるマテリアル(3,000種類以上の粉末や金属)を惜しみなく提供し、最高顧問として関わっています。
 プラ・マハー・スラサック師
 ワット・プラドゥー(サムットソンクラーム県)の住職。現代のタイで「タクルット(経文の筒)」や金運祈祷の第一人者として非常に名高く、彼が直々に聖粉を練り込み、呪文を唱えて墨(แป้งเสก)で祝福を施したことでも有名です。
 プラクルー・ニウィットサードゥワット師
 開催地であるワット・チャオアームの住職です。祈祷式の中心人物として、聖なる「キャンドル(ティアンチャイ)」に火を灯し、式典全体の主導権を握りました。
 その他の参加高僧たち
 プラ・テープウィスッティヤーコーン師(ワット・インドラウィハーン)
 プラ・ラーチャスワンウェーティー師(ワット・スワンナキリー)
 プラクルー・サミュー・カムヌアン師(ワット・ケオチャルーン)
など、バンコクおよび周辺の有力寺院から多数の高僧が座禅を組み、念を込めました。

2. 儀式の進行・監修者
 モー・ラック(アソーン・ラック・レーカニテット氏)
 タイの超有名占星術師であり、このプラクルアンの総合プロデューサー・アドバイザーです。彼が「大富豪の星回り(ドゥアン・マハーセーティ)」となる最高に縁起の良い日時(天体開運日)を計算し、その瞬間に合わせて祈祷が開始されました。
 プラクルー・スリヤーテーウェート氏(宮廷バラモン僧)
 タイ王室の儀式も司る高名なバラモン(ヒンドゥー)の神官です。ガネーシャはヒンドゥーの神様であるため、仏教の法要だけでなく、本格的なバラモンの神事(諸天降臨の儀式)を行うために彼が招かれ、神聖な聖水を注ぎ、神々を迎え入れる儀式を執り行いました。

 通常、1つのお寺だけで作るプラクルアンは内輪の法要で終わることも多いですが、この「ルアイ・タン・チャイ」は、「王室系バラモン神官による神事」×「タイ最高峰の高僧(トンチャイ師やスラサック師)による仏教祈祷」×「トップ占星術師による星の選定」が合わさった、非常に格式高い「ハイブリッドな大祈祷式」を経て世に出されています。
 裏面にタクルットや聖なる粉がこれでもかと詰め込まれているのも、これらトップクラスの高僧たちの「念」や「素材」を直接宿らせるためです。背景を知ると、より一層このプラクルアンの有り難みや価値を感じられます。

こうした背景を知るにつれて、どうしても仕入れたいという気持ちが強くなり、今回の渡泰で仕入れることとしました。商品として出品することについては、ルアン・ポークンでなければ、クルーバー・クリッサナでもない、ルアン・プートゥアットものでもないこのプラクルアンを、この背景を含めてご理解いただいたうえでご購入いただけるだろうか、つけたお値段にどこまでご納得いただけるか、様々な葛藤がありましたが、当店においては仏像を含めて過去最高額で仕入れ、当店では異例中の異例なことでありますが、銀製のガンナーム枠に入れて敬意を表することとしました。そして、出品から1年を経ても購入者が現れなければ、ネズミ店長が責任をもって自分用遣いとして引き取る所存であります。なお、正式な出品まではしばらくお時間を頂くことになりますので、ご了承ください。

 以 上